大台ヶ原山大杉谷)・・・百名山・花の百名山

・「大杉谷は見事な谷である。次々とすばらしい滝が現われる。水は清く豊かで、渓谷の美しさは日本で屈指といっていい」(深田久弥:日本百名山)
・このコースは年間6〜7人が転落事故を起こすと聞く。そのほとんどが大台ケ原からの下りらしい。そこで三重県側から大台ケ原へ登ることにした。

【山 域】 大台ヶ原
【日 程】 2002/04/30-5/1
【交 通】 近鉄・JR・宮川村営バス・宮川ダム遊覧船・奈良交通バス・近鉄
【入山地】 宮川ダム第3乗船場
【コース】 【1日目】 大杉12:00−(遊覧船)−第3乗船場12:20−発電所13:00−大日グラ吊橋13:15−地獄谷吊橋13:30−千尋滝14:40−
猪ヶ淵15:30−ニコニコ滝15:45−平等グラ16:15−桃の木小屋16:40
  【2日目】 桃の木小屋6:25−6:55七ツ釜滝7:00−光滝8:00−隠滝8:15−堂倉滝8:50−10:05堂倉避難小屋10:45−しゃくなげ坂11:15−
12:50日出ヶ岳12:55−大台ケ原駐車場13:30−バス発時刻16:15−近鉄大和上市18:00

関西の秘境とも言える「大杉谷」、アプローチには苦労。

三重県松阪から宮川ダムの船着場である大杉まで「直通バス」があるのは土曜、日曜のみ。

京都から近鉄(7:15)で伊勢松阪(9:00)へ、JRで多気に、そこで乗り次ぎ「三瀬谷駅」(10:00)

おもちゃのような三瀬谷駅に着くと、駅前に宮川村の村営バスがまっている。

10:14にバスは出て、終点の大杉まで1時間半弱、気のいい運転手さんが村の老々男女

乗せてはおろしていく。観察していると、どうも村人がお金を払っている様子はない。

「ありがとう」「ありがとう」運転手とお客が声を掛け合えば運賃はタダ?

村外のわれわれは終点まで1000円。

終点で船の出る間にそそくさと昼食。松阪駅で買った「牛ロース弁当」、うまい!


ダムの遊覧船(1200円)

茶髪の船長さんと高校生の航海長。

この日乗り込んだ客は2組4人のみ。


第3乗船場で船を降りる

遊覧船はダム湖の上流へ向かう。

上流から第1〜第4までの乗り場があるが

水量の少ない今は第3乗船場まで20分の航行。

歩けば2時間半はかかる。

下船して林道をテクテク歩いて40分、

宮川第3発電所の脇を通って登山口に入る。


宮川第3発電所


いきなり危険!大日グラという名の大岩をうがってある。

途中の桃の木小屋で泊まって大台ケ原へ登る


美しい大杉谷の渓谷を見て吊橋を次々渡っていく。

「何ツツジかな?」「さぁー?きれいネ」

まず現われる「千尋の滝」落差160m。透明な玉すだれのようだ。

道は時に河原に降り、また高巻いて遡行していく。

 

 静寂の「猪ヶ淵」を通して「ニコニコ滝」が見える。一幅の絵。

危険な場所に必ずある頑丈な鎖。


巨岩累々の川床


これが平等グラ


平等グラの見えるところで休憩。

歩き初めて約4時間。小屋まであと少し。

吊橋の向こうに今夜の宿「桃の木小屋」(16:40)


桃の木小屋の前で


とっても感じの良かったフロントのお嬢さん。

日が暮れて予約無しに下って来た外人さんに

英語でやりとり。

「鄙には希な・・・」なんていったら失礼かな。

この外人さん、手元不如意とかで

明日は船に乗らずに歩くと言っていた。


桃の木小屋の食堂。今夜の客は13人。
【2日目】

 6:25出発。朝から雨・・・。

 小屋から上流の七ツ釜滝までの間に

 毎年、下り組に転落事故が相次ぐという。

 日出ヶ岳から1200mの下りは足もヨレヨレ、

踏ん張りが利かなくなるためだろう。

「気をつけていこうな」

 

「すごいところだね、鎖につかまって行けよ」

「うん、見てよこの断崖。落ちたら死ぬネ」

  高巻道から見下ろすと

幻想的なエメラルドグリーンの淵が・・。

圧巻の「七ツ釜滝」。道は滝の右側を巻いて登っていく。

「しゃくなげが満開だ」

   

雨で岩が滑る。こわごわ鎖につかまって歩を進める。

「光滝」を1時間半後に通過。


続いて「隠滝」、吊橋から身を乗り出して観瀑。

路傍の「ウラシマソウ」

雨と汗で身体はビショ濡れ。

岩陰で雨宿りしながら

一息入れる。

「あなた!休憩するって言って、

   ホントはタバコ吸うためじゃない!」

「分かる?屋根が無いとタバコが

 濡れるのだよ」   「早く行こっ!」


大杉谷最後の滝「堂倉滝」

8:50「堂倉滝」をあとに大杉谷ともお別れ、

日出ヶ岳(1695m)への標高差1000m近い登りにかかる。

途中、「堂倉避難小屋まで680m」の道標、それから10分後

現われた道標、「・・小屋まで660m」を見てガックリ。

「10分かかって20mしか進んでないの?どうして」

「地図上の距離表示だからそうなるんだよ。分かる?」

「分かりたくもないわ」とカミさん。



急登1時間半、やっと中間点の堂倉小屋。食事だ。


まだ咲いていた「山サクラ」


「シャクナゲ平」標高が高いので花はまだツボミもない。


雲雨の中、日出岳へ最後の階段が見えてくる。

12:50、26座目の百名山の頂きに立つ。

ここは普通の土地なら1年で降る雨が

ひと月で降ると言うほど雨の多いところ。

晴れなら太平洋も見えるという山頂も今日は人影さえまばら。

「疲労が疲れたから、大台ケ原周回はやめておこうヨ」

「なにヨ、その日本語。でも賛成。また来ればイイノヨ」

バス停へ下る途中、「大台ケ原山」の標柱。

「ここが百名山のいうところの大台ケ原山なのかナー」

鹿に遭遇しました。

大台ケ原駐車場は雨とあって観光客もまばら。

下りのバスは1日1本、16:15。

出発まで2時間半、ロッヂでおしるこ2杯平らげたカミさん。

雨だったけど充実した山歩きでした。満足、満足。