穂高岳(3190m)・・・百名山・信州百名山
【1日目】
朝5:30八王子インターを抜け、松本インターから
国道158号で沢渡駐車場へ(1日500円)。
ここで5分間隔で出ているシャトルバスに乗り換え。
上高地に入ると、いつしか雨が降り出し、
観光客に混じって、完全装備で河童橋へ向かう。
河童橋から梓川の右岸を10分、岳沢登山路入口。
中高年の穂高岳登山は涸沢をベースにして
奥穂高から前穂又は北穂のピストンが多いようだ。
我が隊は紀美子平と吊尾根の名前に惹かれて、
岳沢登山路から涸沢への周回コースを採った。
このコースは上高地へのアプローチが長い我々には
初日の行程が僅か2時間半というのがなにより魅力。
ハクサンフウロ ホタルブクロ
雪渓から流れ出る沢を右岸に渡れば
今夜の宿「岳沢ヒュッテ」は近い。
ゴアテックスの雨具といえども、したたり落ちる汗を
全て外へ排出してくれはしない。
下着までビッショリになって到着。
サッパリ着替えて玄関先でまずは2ショット。
夜明け、ヒュッテからの眺め、上高地はこの雲海の下。
そのはるか向こうに乗鞍岳が鎮座する。
食事を済ませ、朝6時「岳沢ヒュッテ」を出発。
今日はあの稜線まで登り、吊尾根を経由して
憧れの奥穂高に登る。今回山行のメインイベント。
「見るからに急だなぁ」早くも弱音吐く亭主。
重太郎新道を使って「紀美子平」までは
3時間の急登が続く。
始めはつづら折れで高度を稼ぐが
次々現れる鎖場、ハシゴで息も上がる。
「おい!ハシゴの途中でなぜ止まる?」
「腕が疲れちゃって、ちょっと休憩!」
ヒュッテから1時間ばかりで「カモシカの立ち場」
格好の休憩ポイント。
「ハイ!ポーズ。写真撮って」とカミさん。
「カモシカの立ち場に豚が立つと!はい、パチリ」
「豚とは、なによ!セクハラよ!」
「セクハラなもんか!カモシカも豚も偶蹄目、同じ!」
更に岩場の急登が続く。次は「雷鳥広場」で休憩!」
悪戦苦闘で手足総動員して掻き登る。ひょいと
台地に登りあがると人が大勢休んでいる。
「紀美子平よ、おとーさん」先に上ったカミさんの声。
「ここが?えらく狭いなぁ。もっと広くて草原かと」
美しい女性のイメージとはほど遠い岩ゴロの狭い所。
右がその「紀美子平」
「所要3時間15分か。まあまあだな」と得心。
前穂へはここにザックをデポしてピストンする。
先に行った同行のTさんを追って、
我々も登り始めた10分後、Tさんから携帯が入る。
「だめだめ、ガスでナンニも見えやしない、降ります」
「じゃあ、俺達も降りヨ!」すぐ同意する軟弱夫婦。
紀美子平に戻って腹こしらえ。奥穂の登りに備える。
紀美子平で1時間以上も停滞して、吊尾根にかかる。
ふっと一瞬ガスが切れて、右眼下に涸沢が見えた。
吊尾根は難所と言うほどのものでもないが、時折
長い鎖場が現れる。何度かにせピークを越える。
1時間40分のコースタイムを2時間かけて、
「ここで滑落したら、『また中高年の山の遭難』と書か
れるからネ」と慎重さを、歩みのノロさの言い訳に。
「着いたみたいよ、お社があるわ」
「これが北岳の3192mと同じ高さになるように
積み上げた2mのケルンか!」
まずは記念撮影、
何はともあれ、お社にお参り。46座目の百名山、安全登頂に感謝。
槍ヶ岳方面視界悪し。同行のTさん「残念、残念」と悔しそう。
穂高岳山荘へ急降下は怖かった。滑落防止のネットが恐怖をそそる。
30分のところを40分かけて降りる。山荘から見上げる急降下のあと。
穂高岳山荘で登頂の余韻に浸って、景色を堪能。
涸沢ヒュッテを目指し、ザイテングラートを下る。
「在天狗(ざいてんぐ)らーどのラードってどんな漢字?」
「天狗がいたの?」変なことをカミさんが聞いてくる。
救いようの無い無知蒙昧、厚顔無恥のきわみ!
とは言え、こちらもドイツ語とは分かるが意味不知。
ザイテン・グラートとは「一筋の山稜」の意味らしい。
ザイテングラートからパノラマコースで雪渓横断
アオノツガザクラの群落
涸沢ヒュッテ到着。下戸の亭主を尻目にカミさんビール!
朝が本谷の向こうからやってくる。
今日はこの谷を下って、上高地へ下山する日。
昨晩従業員部屋のラジオの音が気になって寝られず、
文句言いに行った亭主。 カミサンから
「おかげで、あれから寝られたわ」とお褒めの言葉。
涸沢ヒュッテのベランダからの穂高連山。左から「前穂高岳」から「吊尾根」ときて「奥穂高岳(山頂は陰)」「ザイテングラート」「涸沢岳」そして「北穂高岳」
「本谷橋」橋のたもとで大勢の登りの連中が休憩。
涸沢ヒュッテからコースタイムぴったり、
1時間10分で本谷橋を通過、左岸に移る。
ソバナ
「屏風岩」
本谷橋から50分、これもコースタイムで横尾着。
ここは槍ヶ岳と穂高岳との分岐点。
「ここまで来たらこっちのもん!」お湯を沸かして
ゆっくりとコーヒー&ココアタイム。羊羹つき。
上高地からのハイカーと頻繁にすれ違いながら
徳沢、明神をコースタイムを短縮して辿る。
いよいよ山旅の終着地、上高地が近づく。
苦しいけれど、それ以上に感動した山旅だった。
自分の足だけで(手も使ったか!)稼いだ距離と高さ。
自然の大きさに対して小さな人間が成し遂げる
ささやかながら大きな充足感。
梓川の河畔で、2日前登った岳沢をバックにショット。
2005年の夏の山旅終わる。